1.安心・安全なまちづくりについて
(狭隘な道路について)
質問 ◆吉岡政和 2.快適な市民生活確保について
続きまして、快適な市民生活確保のための騒音防止についてお伺いいたします。
私たち日本人は、古来、小鳥のさえずりとともに目覚め、カラスの群れとともに家路につき、 寺の鐘に時を知りました。そのころは、日常の生活に伴って発生する音についても、 思いやりや気配りによって、受け入れられたことでしょう。 しかし、近代になって、急速な産業の発展、交通機関の発達、情報化社会の出現によって、 物質的豊かさや便利さを受けた反面、住環境の過密化も進み、 社会全体が今まで人が経験したことのない大量の人工的な音に取り囲まれるようになりました。 音に対する好き嫌いは、音の大きさや種類によって一律に決まるものではなく、 その音に対する必要の度合いや音に対する価値観の違い、あるいはそのときの状況によって変わります。 これらの音が騒音となり、時には近所トラブルの原因ともなります。 全国的に見ると、奈良県平群町の騒音おばさんなどは、皆様の記憶に新しいかと思います。 その後、奈良県平群町では、再発防策として条例を整備いたしました。 その他多くの自治体でも騒音防止条例を定め、生活騒音も、その中で規定されております。 お隣の芦屋市でも、生活騒音に対する指導要綱が制定されております。 西宮市でも、近所騒音に悩まされている地区は無数にあり、西宮警察に確認したところ、多くの相談があり、 対応に苦慮しているとのことでした。 ここで当局に伺います。 西宮市として社会問題化している生活騒音問題をどのようにとらまえておられるのか、 また、どのような施策を講じていかれるのか、お教えください。 答弁 ◎環境局長 (藤井厚夫)
2番目の快適な市民生活の確保についての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、平成12年に快適な市民生活の確保に関する条例を定め、 その中で、深夜における公共の場所または深夜営業を行う店の前や駐車場などでの人の声や音響機器、 車などの騒音で近隣の静穏を害してはならないと規定し、これに違反した場合には中止を命令でき、 従わない場合の罰則を設けておりますが、通常の生活に伴う騒音は、対象といたしておりません。 また、条例の趣旨は、市民一人一人がマナーやルールを守り、 他人に迷惑をかけないよう心がけることを目指すものでございます。 市に寄せられる生活騒音に関する苦情は、エアコンの室外機や屋外給湯器の音、楽器の音、 ペットや子供の泣き声、大人が大声で騒ぐ、あるいは集合住宅で上の階から伝わる音やドアの開閉音、 さらに、コンビニの前や公園などでたむろする若者の話し声、バイクの音などがございます。 次に、生活騒音の防止に関する条例を定めている他の自治体ですが、 現在調査している範囲では、人の声も含め、すべての騒音に対して措置命令までを明記したものとしては、 御指摘の奈良県平群町がございます。 訓示規定としているものとしては、例えば横浜市は、条例に基づき、 生活騒音防止に関する配慮すべき指針を定め、設備機器については騒音防止の指針値も設定しておりますが、 人の声やペット、その他の生活騒音については、近隣に配慮するとのみ規定しております。 また、芦屋市では、条例で、騒音障害の防止義務を規定し、夜間においては、近隣の静穏を害し、 または安眠を妨げる騒音を発生させないよう努めなければならないとし、 さらに、要綱で生活騒音全般について騒音の許容限度を定めております。 日常生活に伴う近隣騒音につきましては、行政が直接苦情の伝達や指導等を行った場合、 かえって当事者間にしこりを残す結果を招くおそれもあることから、 当事者同士による円満な解決をお願いしているところです。 ただ、相手が話し合いに応じなかったり、幾ら言ってもやめないなど、困難な問題が生じていることがあることは承知いたしておりますが、 生活騒音等を条例等により規制することとした場合は、児童の通学途中での話し声、 学校園や公園等で生じる音、家庭のエアコン室外機の音などにも同様に対処しなければならないことになってまいります。 また、人の声に規制をかけるとした場合、 声の大きさについては騒音計で測定するという手法が可能でございますが、 発生する場所、時間の特定のできない騒音もあり、特定できた場合でも、 測定位置をどこにするのかという問題がございます。 また、人の声を測定いたしますと、不規則に、しかも大きく変動した数値となるため、 評価値は、記録された数値の最高値にするのか、平均値にするのか、 また、一瞬の声も対象にするのかなどの問題がございます。 また、人の声ではなく、設備機器からの騒音に対する規制基準値は、騒音規制法や県条例で、 住宅街で昼間50から60デシベル、夜間で40から45デシベルと規定されておりますが、 これに対して人の声は、普通の会話で60から65デシベル程度の数値になることや、 人の声や騒音については、基準値以下であっても気になることもあるため、 必ずしも数値だけでは基準値を設定して足りるのかという難しさもございます。 市といたしましては、生活騒音による困難な問題があることは承知いたしておりますが、 一方で、規制を行うとした場合には申し上げましたようにさまざまな課題もあることから、 今後、他市の取り組みをさらに調査し、参考にしながら、どのような施策が望ましいのか、 研究いたしてまいります。 以上でございます。 |
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