BLOG

Home  >>  議会議事録  >>  平成21年12月第11回定例会(12月9日)

平成21年12月第11回定例会(12月9日)

2009年12月9日 , カテゴリー: 議会議事録,

質問 ◆吉岡政和 1.循環型社会構築に向けた西宮市の取り組みについて

議場の皆さん、おはようございます。
傍聴席の皆さん、おはようございます。
さくらFMリスナーの皆さん、おはようございます。
政新会の吉岡政和でございます。
病床の市長におかれましては、ラジオ放送を聞かれているのかどうかはわかりませんが、市長にこの声届けという思いで一般質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
それでは、政新会の一員として一般質問を始めさせていただきます。
まず初めに、循環型社会構築に向けた西宮市の取り組みについて質問させていただきます。
一昨年来、12月議会ごとに新エネルギービジョンについて質問をさせていただいております。今回の質問でも、その後の検討経過や取り組みについて質問いたします。
前回の質問の答弁では、循環型社会構築実現のための課題として、「リサイクルに対する市民意識の醸成をいかに図っていくかとともに、資源の大切さを実感することのできる環境教育、また、環境によい商品やサービスを選択する消費活動等を学ぶ消費者教育などをどのように進めていくかが重要なポイント」であると答弁され、再生燃料に関しては、「本市においても再生燃料の導入に期待が持てる」としながらも、「産学が連携する研究会の立ち上げが必要であると考えており」、「引き続き、西宮商工会議所を初めとする関係機関の協力を得ながら、交流機会の提供などに努めてまいります」と御答弁されておりますが、その後1年間の取り組み状況をお教えください。

○議長 (田中渡)

これより当局の答弁を求めます。

答弁 ◎環境局長 (清水哲夫)

1番目の循環型社会構築に向けた西宮市の取り組みの御質問のうち、1点目のリサイクルに対する市民意識の醸成及び資源の大切さを実感することのできる環境教育や消費者教育の進め方についての御質問にお答えいたします。
本市では、持続可能な循環型社会の構築を目指して、平成15年の環境学習都市宣言に引き続き、西宮市新環境計画やごみ減量推進計画などを策定し、廃棄物の発生を抑制することを初め、資源物の再使用や再生利用を促進する3Rの取り組みを進めております。これらの取り組みを進めるために、各小学校において出前授業を実施し、ごみ収集車にごみ袋を投入する疑似体験や、収集担当職員が講師となって、交流と質問を交えながら、ごみの分け方や出し方、リサイクルの大切さなどの教育活動を行っております。また、高校生を対象とした出前授業では、さらに深く掘り下げて、リサイクルの課題や地球温暖化問題などもテーマに取り上げております。さらに、成人向けの環境啓発活動といたしましては、市内38地区の環境衛生協議会を対象に巡回相談会を開催しているほか、宮水学園などでも、循環型社会構築の大切さと必要性を理解していただくよう努めております。一方、消費者への働きかけといたしましては、レジ袋など容器包装の削減など、限りある資源を有効に使うことの大切さを啓発し、買い物袋の持参を促進する運動などを展開しております。今後、このような取り組みを、市民だけでなく、市内事業者の協力を得て広く行うとともに、引き続き循環型社会の構築に向けた啓発活動の充実を図ってまいります。
以上でございます。

答弁 ◎市民局担当理事 (小網保)

1番目の循環型社会構築に向けた西宮市の取り組みについての御質問のうち、2点目のバイオマス燃料製造の取り組みに関する御質問にお答えいたします。
市内産業の活性化を目的として取りまとめました西宮市地域新エネルギービジョンにおいて、バイオマス燃料製造のうちバイオディーゼルは、市内には多くの飲食店があり、大量に廃棄されます食用油が見込まれることから、飲食店や家庭からの廃食油を回収・運搬、使用先へとつながるシステムを確立させれば、導入の可能性があるとしております。このバイオディーゼルについては、飲食店や家庭から排出されます廃食油で製造する技術はほぼ確立されておりますが、これまで、大型のプラントが必要なことから、大規模な事業所等以外では導入することが困難な状況でございました。しかし、近年は、製造機器の小型化、低価格化が進み、一般用家庭電源で利用できる小型製造機の普及が進んだことから、一般の事業者でも導入しやすい環境が整いつつあります。このような状況から、一部の事業者では、小型のバイオディーゼル製造機を導入し、自社の車の燃料に利用するなどの自社消費の試みをされております。
一方では、大量の廃食油を回収することが困難なため、本格的な利用に至っていないという現状もございます。このような状況を踏まえ、これまでの産学官民連携交流事業による取り組みから、今後は、家庭や事業所における廃棄物の削減などによる省エネルギーの推進や循環型社会の構築に向けた取り組みを具体的に実現していくため、当面は、自社でバイオディーゼル製造機を所有し、自社で消費している事業所に対して、試験的に市立の小・中学校の学校給食から排出されます廃食油をどのように事業者へ提供できるかについて、関係機関との協議に入りたいと考えております。
以上でございます。

質問 ◆吉岡政和 2.公共工事の入札及び落札業者の工事履行について

次に、公共工事の入札及び落札業者の工事履行について質問させていただきます。
本年度、市内小学校施設の耐震工事や、改築に伴う衛生設備、空調設備工事の工事請負契約履行中の契約解除事件が3業者で4件発生いたしました。そのいずれも、請負業者が着工後倒産したためです。浜脇小学校の工事については、工期が若干延びた程度の影響で済みましたが、樋ノ口小学校と生瀬小学校においては、それぞれの学校行事や地域活動に少なからず影響を生じ、さらに、この冬に予定されている再工事の影響を受けてしまいます。この2件の工事は、同一の業者が請け負っておりました。これら2件の入札結果を顧みると、2件とも予定価格の80%で、次点入札価格に100万円以上の差をつけて落札されておりました。当該業者は耐震補強工事の経験はなかったそうで、予測するに、電卓で予定価格の8掛けで価格を算出し、見積もり計算をする努力もなく、ただ仕事欲しさに入札したのがうかがえるのではないでしょうか。学校は、児童生徒の学びやという役割はもちろんのこと、地域コミュニティーの形成に大きく活用されているのは、当局も周知の事実でございます。
これらの実情を踏まえて、1点目の質問をさせていただきます。
今後、平成23年にかけ、市内では141棟の耐震補強工事が予定されており、また、昨今の経済事情から見ると、自転車操業的に仕事をとりにくる業者が今後ふえることも想定できます。そのような中で、当然、市としてもセーフティーネットを講じるのが必要だと考えますが、当局の考えをお伺いいたします。
2点目は、今述べたような背景を踏まえるのとともに、地元業者育成の必要性は高まりつつあります。そのこと自体に反対をするつもりは全くございませんが、入札参加条件の緩和で、気になる工事がありました。それは、本年9月に簡易型総合評価落札方式で行われた公共下水道新設工事です。その評価方法で気になりましたのが、入札に参加する必要な資格の施工実績で、元請実績と1次下請実績を同等に評価するという点でございました。入札参加の門戸を広げるという点では理解できますが、参加業者の質の確保という面では、評価点数で差をつけるのが当然というふうに私自身考えますが、当局のお考えをお聞かせください。

答弁 ◎市長職務代理者副市長 (河野昌弘)

2番目の公共工事の入札及び落札業者の工事履行についての御質問のうち、1点目のセーフティーネットを講じる必要があるのではないかの御質問について私からお答えいたします。
まず、本市の工事請負契約の発注方法につきましては、市内業者で施工可能な工事につきましては市内業者でという市内業者優先を原則としております。予定価格が1,000万円以上1億5,000万円未満の工事につきましては、市内業者のみを対象とした制限つき一般競争入札を行い、予定価格1,000万円未満の工事につきましては、指名競争入札を行っております。いずれも、格付基準の発注金額に対応したランクでの発注で、指名基準を遵守して、適正に入札執行を行っているところであります。しかしながら、御指摘の工事案件につきましては、落札業者の事情により履行中の契約を解除したことに伴い、児童生徒、保護者を初め、学校関係者、地域の皆様に多大な御迷惑をおかけすることとなり、甚だ遺憾なことでございました。今後このような事態を招かないためにも、何らかの方策が必要であると考えているところでございます。
なお、契約解除した残工事の発注につきましては、2本の工事──樋ノ口小学校体育館耐震補強ほか工事と生瀬小学校体育館耐震補強ほか工事を合併いたしまして、予定価格約1,700万円の規模で、格付発注金額では建築Bランクの案件ですが、入札の不調を懸念しまして、Aランクも含めた2ランクでの制限つき一般競争入札といたしました。その結果、Aランクの業者が落札し、着工となったところでございます。
今後の発注につきましては、発注件数が集中する中、業者の手持ち工事の状況や技術者数などを勘案し、状況によりましては、金額要件にかかわらず、上位ランクへの発注も考えていかなければならないものと思っております。
また、履行上の援助につきましては、下請業者への債権の代理受領制度や、50%以上の履行が条件である債権譲渡による地域建設業経営強化融資制度の活用なども進めてまいります。
さらには、万一契約を解除した場合において学校行事などで多大な影響を及ぼすときは、影響をできるだけ軽減するため、残工事の速やかな履行確保の方法として、状況によりましては、特命随意契約なども選択肢として検討していく必要があるのではないか、このように考えております。
最後に、学校施設などの耐震補強工事は、夏休みや冬休みの時期でしか現場施工ができない厳しい工期設定となっていますが、少しでも早い前倒し発注を行い、下請業者の確保や鉄骨資材などの早期発注など、より円滑な履行ができる方策を、教育委員会と連携を密にいたしまして、検討してまいりたいと思います。
以上でございます。

答弁 ◎土木局長 (池谷敬一郎)

2番目の公共工事の入札及び落札業者の工事履行についての御質問のうち、2点目の公共下水道新設工事についてお答えいたします。
当該工事につきましては、予定価格が1億5,000万円を超えますことから、西宮市共同企業体取扱要領に基づき、地元業者による特定建設工事共同企業体とし、また、西宮市建設工事総合評価競争入札施行要綱に基づき、総合評価方式による競争入札を実施しております。
御指摘の元請実績と1次下請実績の評価についてでございますが、当該工事は、大口径長距離推進工事という特殊な工事であり、一般土木工事に比べて推進工事を請け負う1次下請の役割が大きいことから、他都市の事例も参考に、入札参加資格として認めております。
次に、総合評価におきましては、工事全般の監理能力を問う施工計画と技術的能力を問う企業の施工能力等の2項目を評価項目としておりますが、施工計画の評価では、工程管理、安全管理などにより、元請企業としての実績を反映できる内容となっております。また、企業の施工能力等では、長距離、大口径の推進工事に関する施工実績を求めることにより、工事の品質確保が可能であるとの判断から、元請と同等の評価としております。
なお、総合評価落札方式につきましては、その本格導入に向けて、全庁的なプロジェクトチーム「総合評価落札方式検討チーム」を設置し、現在、整理検討中であり、今後、御指摘の点を踏まえ、取りまとめてまいりたいと考えております。
以上でございます。

再質問 ◆吉岡政和

御答弁ありがとうございます。
それでは、2点、再質問をさせていただきたいと思います。
まず、1点目の再質問ですが、公共工事の入札について再質問させていただきます。
今の答弁にございました総合評価落札方式検討チームの活動についてお教えいただけますでしょうか。

再答弁 ◎総務局長 (掛田紀夫)

再質問の総合評価落札検討チームの活動についてお答えいたします。
本市では、総合評価落札方式につきましては、予定価格1億5,000万円以上を対象として試行実施しているところでございますが、契約までに時間がかかり、また、工事所管課を含め、事務も煩雑になっておりますことから、問題点の抽出及び検証をするために、今年度に契約・検査課内に総合評価推進チームを設置いたしました。10月には、総合評価落札方式のさらなる検討と検証を行うとともに、その本格導入を目的として、プロジェクトチームを庁内に設置いたしました。チーム員は、土木、建築、機械及び電気職の技術職員と法制化していくための事務職員の合計26名で構成しております。作業に当たりましては、総合評価落札方式の評価基準を作成するパート、ガイドライン並びにマニュアル等を作成するパート、工事成績評定書を作成するパート及び各パート間の調整を担うパートの4パートに分けて進めておるところでございます。この総合評価落札方式には、高度技術提案型、標準型、簡易型及び通称特別簡易型と呼ばれている市町村向け簡易型の4方式がございます。この中で、市町村向け簡易型の採用実績がございませんことから、まず、この方式の導入を中心に現在検討しておりまして、年度末には一定の成果をまとめる予定でございます。
以上でございます。

質問 ◆吉岡政和 3.コミュニティバスについて

そして、最後に3点目の質問、コミュニティーバスについてでございます。
以前の質問時にも申し上げましたが、私は、生瀬地域にコミュニティーバスを導入するということを提言に、全面的に選挙運動を展開し、4,041票という票をいただき、当選させていただきました。一般質問の壇上に立つたびに、本件について質問をさせていただいております。今回も何点かに分けて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
現在、市では、公共交通の事業者や学識経験者から組織される西宮市地域公共交通活性化協議会を立ち上げ、さくらやまなみバスの実施について同協議会に諮り、現在の役割では平成21年から23年度の赤字補てんのための国からの助成金の受け皿としております。現行の国からの助成制度は、地域公共交通活性化・再生総合事業という制度であります。この制度は、3年間という助成期間の限定がございます。本市が平成24年度以降に新たなコミュニティーバスの試験運行等の助成申請をしても、全国レベルでバス事業の開拓の希望が非常に多いため、本市が再び助成を承認されるのは不可能と言っても過言ではありません。つまり、本市にとって喫緊の課題である高齢者の足の確保と公共交通不便地域解消の解決のためのコミュニティーバス試験運行で、国の助成を受けて試験運行が実施できるのは平成23年度までで、その次はいつ国から助成を受けれるかわからないというのが現実でございます。市域内に生瀬地域も含めた24カ所あると言われている公共交通不便地区で国の助成を受けて試験運行を実施するためには、平成22年度中に地域公共交通活性化協議会に諮問し、平成23年度中に試験運行の実施というのがタイムリミットということになります。これ以降の時期に試験運行するならば、国からの助成を受けることはほぼ不可能ということなので、市の一般財源を活用してということになろうかと思われます。
また、現行の助成制度に対し、バス運行の助成事業について、新たな動きが昨今報道されております。その内容は、行政刷新会議事業仕分けの中で、バス交通について、去る11月24日──仕分け作業の第6日目になりますが、その事業仕分けの1?43と1?45で、国庫補助制度についての評決が下されました。本市のさくらやまなみバスは、1?43の広域公共交通活性化・再生総合事業の中の(2)、地域公共交通活性化・再生総合事業により、現在、運行経費の赤字額の2分の1を国庫から助成を受けようとされております。コミュニティーバス事業もこの枠に相当するというふうに伺っておりますが、事業仕分けワーキンググループの評決結果は、「各自治体の判断に任せる」という結果でございました。この事業仕分けの是非論については、ノーベル賞受賞者が鳩山総理に直接抗議したり、賛否の議論を呼んでいるところでございます。
そこで質問させていただきます。
事業仕分け1?43、広域公共交通活性化・再生総合事業の評決である「各自治体の判断に任せる」とは、具体的にどのような意味であり、本市のバス事業にどのような影響が想定されるのか、お聞かせください。
次に、事業仕分け1?45(1)、バス運行対策費補助の評決は、「車両購入費補助を廃止との見直しを行う」とありますが、平成22年度以降、コミュニティーバスの購入を希望する場合、車両購入費の助成制度はどのようになるのか、お聞かせください。
また、1?45(2)、バス利用等総合対策事業は「廃止」との評決がありますが、この事業が廃止された場合、さくらやまなみバス事業への今後の影響やコミュニティーバス事業を今後支援する場合、どのような影響が想定されるのか、お聞かせください。
次に、青葉台地区自治会アンケートの結果の状況とジャンボタクシーによる試算についてお伺いしたいと思います。
先ほど述べましたように、現行の国の試験運行に対する助成のタイムリミットが迫る中、地元自治会等は、その実現の手法について、道路運送法の壁やボランティアの問題など課題が蓄積する中、その実現に向け、議論を伯仲されております。住民がつくり、育て、守れるという3原則は理解しつつも、タイムリミットが迫る中、市としても後押しをする牽引力が求められているのではないかと考えます。道路運送法の四角四面な運用を考えると、NPO法人を立ち上げるなどの緑ナンバーがとれる団体をつくらなければならず、また、これらのNPO法人等を立ち上げたとしても、緑ナンバーを取得することは非常に難しいというふうに聞いております。それ以外の手法は、既存の事業許可者の中から既存の運行手段による試験運行の手法を選ぶ必要も考えられ、例を挙げますと、需要が余っていると聞くジャンボタクシーを活用しての試験運行も視野に入れなくてはならないのでしょうか。
また、アンケートの結果では、ミニバスやタクシー等の何らかの相乗りの交通手段を利用したいと答えた方は約6割であり、また、利用したい目的地が宝塚駅と答えた人の割合や出発したい時間帯は8時台から9時台と答えた人の割合及び帰りの時間は午後、12時、13時、15時と答えた人の割合が、いずれも約6割となっております。また、宝塚駅を往復する交通手段ができた場合の1カ月の地元住民からの協賛金または会費として徴収されるなら、幾らぐらいまでなら支払っていいかという問いに対しては、3,000円から5,000円までなら支払ってもいいですよと答える方がほとんどでした。
そこで質問いたします。
仮にジャンボタクシーでデマンド方式もしくは定時運行で宝塚駅と地域を往復する試験運行を試算すれば、青葉台のような一団地において1カ月当たりどのくらいの費用が想定されるのか、お聞かせください。
また、生瀬駅から宝塚駅へ向かうタクシーの需要数は、現在1カ月でどのくらいあるのか、お聞かせください。
以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。御答弁によりましては、自席から再質問、要望を述べさせていただきたいと思います。
どうかよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。(拍手)

答弁 ◎都市局長 (森田順)

3番目のコミュニティーバスについての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の行政刷新会議の事業仕分けの御質問のうち、一つ目の、地域公共交通活性化・再生総合事業の評価の、本市のバス事業への影響についてでございますが、当事業は、本年度から本格運行を実施しておりますさくらやまなみバス事業におきまして、運行経費や車両購入費などに対する補助を予定しているもので、市といたしましては、昨今の厳しい財政事情もあり、ぜひとも必要な補助事業と考えているものでございます。
11月24日に行われました国の行政刷新会議の事業仕分けでは「自治体の判断に任せる」との評価でございますが、地域主権の確立を目指すとの政府の考え方からいたしますと、各自治体で財源も含めてコントロールできる状態に移行させるという趣旨ではないかと想定されますが、内容につきまして、現在のところ詳細が明確になっていないこともあり、今後、国とも協議しながら、政府の最終判断を見守ってまいりたいと考えております。
二つ目の、バス運行対策費補助が「車両購入費補助を廃止との見直しを行う」との評価になったことによるコミュニティーバス事業への影響についてでございますが、当事業は、広域的・幹線的なバス路線や合理化を図るべきバス路線など、現在運行しているバス路線の維持等のための助成措置であり、コミュニティーバス事業につきましては、直接の影響が少ないものと考えております。
三つ目の、バス利用等総合対策事業が「廃止」との評価になったことによるコミュニティーバス事業等への影響についてでございますが、当事業は、マイカー利用者をバス利用者へ転換させるとともに、バス等の公共交通車両をスムーズに走行させるため、公共交通車両の車載装置からの赤外線を受信して信号制御を調整いたします公共車両優先システム等の関連設備機器の整備等に対しまして、自動車安全特別会計から助成するものであり、コミュニティーバス事業等につきましては、直接の影響が少ないものと考えております。
いずれにいたしましても、御指摘の三つの助成制度につきまして、今後も注意深く国の動向を見守ってまいります。
次に、2点目の青葉台地区自治会アンケート調査の結果を受けましたジャンボタクシーによる試算についての御質問のうち、一つ目の、青葉台のような一団地と宝塚駅の間をジャンボタクシーで往復運行した場合の1カ月当たりの費用についてでございますが、タクシー会社に問い合わせましたところ、9人乗りのジャンボタクシーを利用した場合、1時間当たりの借り上げ料金は約6,000円という概算額を聞いております。例えば青葉台地区からですと、宝塚駅までの距離が約4キロメートルであり、1往復当たりの所要時間を、乗り降りに必要な時間も含めまして約1時間と考えますと、宝塚駅を起点・終点といたしまして試験運行と同じ1日3往復した場合、1日当たり約1万8,000円の費用が必要となります。平日のみの1カ月22日の運行で、約40万円の費用が必要となります。アンケート調査で希望の多くありました時間帯に合わせて、午前2往復、午後3往復の1日計5往復の運行を行った場合、経費といたしまして、1日当たり約3万円の費用となり、平日のみ1カ月22日の運行で、約66万円の費用が必要となります。
最後に、2点目の1カ月当たりの生瀬地域から宝塚駅のタクシー利用の需要についてでございますが、生瀬地域でサービスを提供している数社のタクシー会社のうち大手の1社に問い合わせましたところ、平日平均で約7件、土・日・祝平均で約11件の実績がございましたので、1カ月当たり約240件の需要があるものと考えられます。
いずれにいたしましても、コミュニティー交通の導入に際しましては、地元住民相互の協力と粘り強い取り組みが必要となってまいります。市といたしましては、地域のこうした取り組みに対し、今後もできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。

再質問 ◆吉岡政和

コミュニティーバスについて再質問させていただきます。
壇上でも申し上げましたが、西宮市が国の補助を受けてコミュニティーバスの試験運行を実施する場合、そのタイムリミットは平成23年度であると考えるのが国の補助事業の動向や全国のバス事業の現状を踏まえると妥当であるというふうに考えますが、当局のお考えをお聞かせくださいますでしょうか。
以上2点、よろしくお願いいたします。

再答弁 ◎都市局長 (森田順)

コミュニティーバスに関する再質問にお答えいたします。
地域公共交通活性化・再生総合事業では、地域公共交通総合連携計画に位置づけられた事業のうち、地域公共交通活性化協議会が行う事業で、3年間の事業計画が認定されたものについて、補助を受けられることになっており、新しくコミュニティー交通を導入する場合の実証運行等に対しまして、国の支援を受けるときには全国的にこの制度が活用されているのが一般的でございます。しかしながら、全国的にコミュニティー交通の導入を検討している地域が非常に多いことから、国からは、事業期間の延長や同じ連携計画の位置づけのもとに新たな事業計画を追加することは、非常に難しい状況であると聞いておりますので、御指摘のとおり、事業計画の最終年度である平成23年度末を一つの節目としてとらえる必要があると考えております。今後、コミュニティー交通を導入する場合の実証運行等に対しましては、当該再生総合事業やほかの補助制度の適用の可能性などについても、国等の動向を見守りながら、必要に応じ協議をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

意見・要望 ◆吉岡政和

答弁ありがとうございます。
それでは、意見、要望を質問させていただいた順に述べさせていただきたいと思います。
まず初めに、循環型社会構築に向けた西宮市の取り組みについて意見、要望を申し上げさせていただきます。
壇上でも申し上げさせていただきましたが、今回の質問で、この質問は3回目の質問となります。昨年の質問時には伊丹市の取り組みを紹介させていただきましたが、最近では、今月3日、加西市が、バイオ燃料を家庭用ストーブやファンヒーターに活用するために、神戸大学大学院工学研究科と加西市内の家電製品メーカーが市と共同実験を行う調印をしたとの記事が神戸新聞に掲載されておりました。この分野では、他市に比べ約2年以上の進展差があり、西宮市は大きく出おくれているものと考えております。初めて質問した時点よりもバイオ燃料の技術や研究は日進月歩でございます。3回目の質問にして、ようやくプランからドゥーに移ると解釈できるような御答弁をいただきましたので、他市におくれることなく、積極的に施策を講じていただけますよう要望させていただきます。
次に、公共工事入札及び落札業者の工事履行について意見、要望を述べさせていただきます。
1点目の耐震補強工事についてですが、質問でも触れさせていただきましたが、学校は、生徒児童の学びやのみでなく、地域コミュニティーの基軸という役割も果たしております。そのことを踏まえて、今後予定されている工事についても慎重に取り組んでいただきたい、そのように要望させていただきます。
また、工事不履行の事件の再発、発生を防ぐ努力は当然のことではございますが、昨今の経済事情をかんがみると、防ぎようのない事態も想定されるわけでございます。事件が発生した後、学校や市民に影響が出ないようなセーフティーネットを早急に確立されるよう、あわせて要望させていただきます。
2点目の元請と下請実績の参加資格要件についてですが、大口径長距離推進工事という特殊工事であるから入札参加資格を認めた点においては、市内で施工実績のある業者が少なく、市内業者育成や門戸を広げるという観点からも、一定の理解はできるところでございます。ただし、元請、下請ともに入札参加資格として認める場合の問題点が何点かございます。
まず、参加資格の確認方法でございますが、元請実績に関しては、通常、コリンズ登録にて工事実績及び配置技術者の詳細確認を実施し、参加資格の承認となり、非常に厳正な確認作業を実施するため、虚偽や誤申請が発生する可能性はほとんどありません。今申しましたコリンズとは、国、都道府県、市区町村などの公共機関が、鉄道、電気、ガスなどの公益民間企業が発注した公共工事の内容をその工事を受注した企業がコリンズ・テクリスセンターに登録し、その登録された工事内容をコリンズ・テクリスセンターがデータベース化して、発注機関及び発注企業へ情報提供していく、そういうものでございます。しかしながら、下請実績を入札参加資格として認める場合には、当然ながら、このコリンズ登録はされておりません。そのため、正確な確認ができないと思われるのですが、この9月に行われた本工事においては、一体どのような方式で実績確認を証明され、確認されたのでしょうか。元請に関しては、コリンズ登録にて、工事の詳細内容から配置技術者の配置期間まで正確に確認できますし、当然ながら、工事着工から竣工まで、元請としてあらゆる責任とリスクを背負い、工事実績として評価できますが、下請の施工実績に関しては、実績として評価に値する証明がない上に、配置技術者に関しても、その施工に従事したと確実に証明する方法は、現在のところございません。
以上により、元請の配置技術者とはあらゆる面において実績的に格段の差があると考えておるわけでございますが、先ほどの答弁でも他都市の事例を参考にされたということでございますが、下請工事を入札参加資格として認めた場合は、企業の施工実績と配置予定技術者の能力については、評価点数がゼロ及びなしにするか、もしくは元請実績の評点を下請実績の評点より二、三倍にしている場合がほとんどでございます。通例でございます。入札参加資格を与えるという点では、さきに述べた履行確認作業が確実に実施されていれば何ら問題はないというふうには思いますが、元請と下請との同等評価については、公正な実績評価をするという観点からも、元請実績として、施工面、安全面、品質面を考慮し、元請実績に優位性を与えた評価基準というのが妥当だと考えます。これらは、あえて質問はせず、指摘と要望にとどめさせていただきますが、昨今の建設不況の中、今後、虚偽申請や誤申請を誘発するような制度ではなく、公明正大な参加資格要件となるように、そのシステムづくりを要望いたします。
最後に、コミュニティーバスについてでございます。
国の補助を受けての試験運行は、現実的に平成23年度がタイムリミットで、それ以降に試験運行をするとなると、一般財源から費用を捻出しての実施ということになります。市の現在、また、23年度の近い将来の財政を考えると、一般財源を使っての試験運行実現というのは難しいと考えるのが現時点では妥当ではないかというふうに、私自身、考えさせていただいております。今も、地域では、実現に向けて一生懸命努力をされております。以前、私が東京大学に視察に伺った際に、その研究チームが行ってくださった西宮市生瀬地域に対する簡易シミュレーションでは、採算のとれるオンデマンド方式のコミュニティーバス導入は可能であるというデータを示していただきました。今まさに、市の力強いリーダーシップを必要としております。コミュニティーバス導入は、山田市長の公約でもございます。これ以上意見をうだうだ申し上げることはいたしません。市長におかれましては、1日も早く病魔を克服し、職務復帰を果たしていただいて、公約実現に尽力されますよう心からお祈りを申し上げ、吉岡政和の一般質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)

Comments are closed.