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平成20年6月第5回定例会(7月8日)

2008年7月8日 , カテゴリー: 議会議事録,

質問 ◆吉岡政和 1.安心・安全なまちづくりについて(狭隘な道路について)

議場の皆様、お疲れさまでございます。傍聴席の皆様、こんにちは。 さくらFMリスナーの皆さん、こんにちは。政新会の吉岡政和でございます。
本日は、資料を配付しての質問となりますので、 さくらFMリスナーの皆様には少しわかりにくいかとは存じますが、どうかよろしくお願いしたいと思います。
尊敬する喜田議長に名前を呼んでいただきまして、うれしく思いながら、 政新会の一員として一般質問に入らせていただきたいと思います。
それでは、通告の順に質問をさせていただきます。
まず初めに、安心・安全なまちづくり、狭隘な道路について質問いたします。
この4月に報道がありました上ケ原の火災は、3名の方が亡くなるという痛ましい火災事故でありました。 一部報道では、火災現場に至る道が狭く、火災現場に消防車が至ることが困難であったとも報道されております。 確かにこの火災現場の沿道では、この現場を含み、道幅4メートルに満たない狭隘な道路に建物が建ち並んでおります。 こうした道路の多くは、建築基準法の第42条第2項道路、 いわゆる2項道路と一般的にいわれている道路でございます。 建築基準法の規定では、防災上の観点から、建物を建てる際には原則4メートル以上の道幅の道路にその敷地が接することが義務づけられております。 このような2項道路に接して建物を建てる際には、道路中心から2メートル後退したところを道路とみなして、 建築確認申請がなされます。この後退した部分の管理はそれぞれの所有者となりますので、 なかなか4メートル以上の道路にならないのが現状であります。 また、こうした建築基準法の規定は、道路整備をするといった観点から定められたものではなく、 法律が施行された昭和25年当時には、4メートル未満の道路が市街地には多くあり、 直ちにそのすべてを4メートル以上の道路に整備するのが困難であったために、 道路整備がなされるまでの当面の調整的な措置として法整備されたようでございます。
しかし、道路というのは、地震などの際に倒壊家屋などの救助活動を行う上で確保される必要ある都市施設であり、 あるいは火災時の消防活動空地として非常に重要な都市施設でもあります。 また、市民生活とも密接した公共空間となっております。こうした公共空間の整備について、 いつまでも建築をされる建築主にゆだねるというのは無理があるのではないでしょうか。 やはり道路などの公共空間の整備については、公が積極的に関与しないと、 現実には狭隘な道路はなかなか改善しないと考えております。 次期総合計画案の基本計画各論、まちづくり編ナンバー37、「魅力的な市街地の形成」の主要な施策展開の中では、 「道路などの基盤施設が不足している上ヶ原、甲東瓦木、鳴尾地区などについては、 土地区画整理事業や地区計画等を活用して、安全で快適な市街地の形成に努めます」との方針がされております。
そこで当局に伺います。
1点目、火災活動や来る南海地震に対し、早急な安心・安全のまちづくりを推進するためには、 狭隘な道路の改善策について、何ヘクタールもの地域に区画整理の網をかぶせて、 時間と事業費が莫大な必要な手法より、 消火活動や地震の避難路を重視した幹線道路などの沿道区画整理方式の検討が喫緊の課題であると考えますが、 当局のお考えをお聞かせください。
2点目、4月に上ケ原で起きた火災事故を報じる新聞紙上でも、 狭隘な道路での消火活動の難しさを指摘されておりました。 消防活動を行う上で、消防車やはしご車が進入して消火活動をするのに必要な最低限の道幅としてどのくらい必要なものでしょうか。
3点目、消防局として、市内の狭隘な道路で消火活動が困難とされている場所の把握と、 こうした場所で消火活動指令のシミュレーションについてどのような研究をされているのでしょうか。
4点目、このような狭隘な道路で、中心線後退を行い、建築された住宅に対し、 建築後も後退が守られているのかどうかのチェックを建築部局はどのように行っているのか、お答えください。

○副議長 (喜田侑敬)

これより当局の答弁を求めます。

答弁 ◎市長 (山田知)

安全・安心なまちづくりにつきまして私から答弁を申し上げます。
本市におきましては、阪急神戸線以北の市街地におきまして都市基盤整備が進んでいない地域があり、計画的なまちづくりと御指摘のような防災上の観点から、早期の市街地整備が必要と考えております。これらの未整備市街地の面的かつ計画的な都市基盤施設の整備につきまして、来年度からの次期総合計画の中で位置づけ、土地区画整理事業や地区計画等の手法によりまして、安全で快適な市街地整備に努めたいと考えております。安全・安心が都市の基本的要件であることは言うまでもありません。多くの市民は、そのようなまちに住みたいと望まれております。次期総合計画におきましては、都市の骨格や魅力、そして愛着を感じるまちづくりを推進し、市民がいつまでも愛することができるまち西宮の創出を目指したいと考えています。
具体的な御質問につきまして、都市局長より答弁させます。

答弁 ◎都市局長 (森田順)

1番目の安心・安全なまちづくり、狭隘な道路についての御質問のうち、 市長がお答えいたしました以外のことについてお答えいたします。
1点目の沿道区画整理型街路事業方式によります狭隘道路地域の改善についてでございますが、 次期総合計画案におきまして基盤整備の必要性について言及しております甲東、瓦木などの3地区を初め、 市道認定道路の総延長約990キロメートルのうち、約2割程度あると考えられる狭隘道路の改善につきましては、 御指摘のように、防災上の観点からも重要な課題であると認識しております。 今回御指摘の沿道区画整理型街路事業は、狭隘道路地域の核となる幹線道路とその沿道区域の良好な市街地形成の向上を図るため、 街路と沿道区域の一体的な整備を区画整理手法で実現しようとする事業手法でございます。 沿道区画整理型街路事業方式につきましても、 これまで実施してまいりました長期の事業期間と多額の事業費を要します比較的規模の大きな一般的な面整備手法であります区画整理事業と同様に、 地元の意向を初めとして、整備の緊急性と有効性、必要となる事業費と期待される整備効果、 また、面積要件、財政状況などを総合的に検討する必要がございます。 これらの中からその地域に最適な手法を検討してまいりたいと考えております。 このような面整備によります手法とは別に、 建築確認申請に係る狭隘道路拡幅整備要綱や開発事業等におけるまちづくりに関する条例などによる道路の後退整備がございます。
次に、4点目の、中心後退を行い、建築された住宅についてでございますが、 御指摘のように、このような狭隘道路に面して建物を建てる際には、 道路中心から2メートル後退したところを道路境界線とみなし、建築確認申請がなされます。 お尋ねの建物工事完了後に後退部分が適正に守られているのかのチェックにつきましては、 後退部分に新たに門や塀が築造され、市に問い合わせがあった際には、 建築確認申請の概要書が永年保存となっていることから、この概要書に基づき、 建築確認時の状態に戻すよう指導を行っております。

答弁 消防局長 (岸本正)

1番目の安心・安全なまちづくりについてのうち、 2点目と3点目の消防局についての御質問にお答えいたします。
御指摘の4月21日に発生しました上ケ原七番町での火災につきましては、初期対応として、 火災現場の北、南の2方面からの防御体制により消火活動を実施し、 その後、後続隊により包囲戦術に移っております。 この際、北側から活動に当たった消防隊は、道路状況を勘案し、 20メートルホースを10本以上延長して消火活動を行いましたが、南側からの消防隊は、 ホース4本の延長により、消火活動に当たっております。 確かに北側からのホースの延長には少し時間を要しておりますが、 南側からの消火活動が有効であったため、消火活動が大幅におくれたという事実はなく、 この地域の消防活動につきましては、事前の計画どおりの活動ができております。
御質問の2点目の消火活動に必要な道路幅についてですが、 車両幅員は道路運送車両保安基準で2.5メートル以下と決められているため、 幅員3メートルであれば消防自動車の走行には支障はありませんが、 消防活動を行うためには4メートルの幅員が必要となってきます。 また、中高層建物の火災では、はしご車を使用した活動が重要となり、 有効な活動のためには6メートルの幅員が必要となります。 このため、幅員6メートルを確保できない道路に面した場所に中高層建築物を計画された場合は、 道路と敷地内を併用して確保するよう開発指導を行い、道路幅員の確保に努めております。
次に、3点目の狭隘な道路状況の把握とその対策についての御質問にお答えいたします。
消火活動に支障を来す可能性のある、いわゆるみなし道路につきましては、各消防署において、 大型車通行不能道路、車両通行不能道路等、調査を行っており、 この調査結果をもとに、先着車両隊長から無線による後着車両への進入方向や防御担当方面の指示などを取り決めた警防計画を作成しております。 特に人事異動時期には、異動者を対象に、試運転走行時や特別地水利調査により、道路状況の把握に努め、 署員間の共通認識として徹底を図っているところです。 また、地域の実情に精通されている消防団との連携を深め、 職員と団員が合同で地域実情に応じた消防訓練を実施しております。 さらに、狭隘な道路や不正駐車等により火災現場に寄りつきができない火災を想定して、 ポンプ車にホースを事前に連結して積載することや隊員がホース数本を搬送できるホースバッグの採用など、 消火活動に少しでも早く着手できる工夫を施しております。 今後も、道路の最新状況を把握するとともに、消火作業に要する時間短縮を目的とした訓練を継続し、 迅速な消火活動を行い、被害の軽減に努めてまいります。
以上でございます。

質問 ◆吉岡政和 2.快適な市民生活確保について

続きまして、快適な市民生活確保のための騒音防止についてお伺いいたします。
私たち日本人は、古来、小鳥のさえずりとともに目覚め、カラスの群れとともに家路につき、 寺の鐘に時を知りました。そのころは、日常の生活に伴って発生する音についても、 思いやりや気配りによって、受け入れられたことでしょう。 しかし、近代になって、急速な産業の発展、交通機関の発達、情報化社会の出現によって、 物質的豊かさや便利さを受けた反面、住環境の過密化も進み、 社会全体が今まで人が経験したことのない大量の人工的な音に取り囲まれるようになりました。 音に対する好き嫌いは、音の大きさや種類によって一律に決まるものではなく、 その音に対する必要の度合いや音に対する価値観の違い、あるいはそのときの状況によって変わります。 これらの音が騒音となり、時には近所トラブルの原因ともなります。 全国的に見ると、奈良県平群町の騒音おばさんなどは、皆様の記憶に新しいかと思います。 その後、奈良県平群町では、再発防策として条例を整備いたしました。 その他多くの自治体でも騒音防止条例を定め、生活騒音も、その中で規定されております。 お隣の芦屋市でも、生活騒音に対する指導要綱が制定されております。 西宮市でも、近所騒音に悩まされている地区は無数にあり、西宮警察に確認したところ、多くの相談があり、 対応に苦慮しているとのことでした。
ここで当局に伺います。
西宮市として社会問題化している生活騒音問題をどのようにとらまえておられるのか、 また、どのような施策を講じていかれるのか、お教えください。

答弁 ◎環境局長 (藤井厚夫)

2番目の快適な市民生活の確保についての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、平成12年に快適な市民生活の確保に関する条例を定め、 その中で、深夜における公共の場所または深夜営業を行う店の前や駐車場などでの人の声や音響機器、 車などの騒音で近隣の静穏を害してはならないと規定し、これに違反した場合には中止を命令でき、 従わない場合の罰則を設けておりますが、通常の生活に伴う騒音は、対象といたしておりません。 また、条例の趣旨は、市民一人一人がマナーやルールを守り、 他人に迷惑をかけないよう心がけることを目指すものでございます。 市に寄せられる生活騒音に関する苦情は、エアコンの室外機や屋外給湯器の音、楽器の音、 ペットや子供の泣き声、大人が大声で騒ぐ、あるいは集合住宅で上の階から伝わる音やドアの開閉音、 さらに、コンビニの前や公園などでたむろする若者の話し声、バイクの音などがございます。
次に、生活騒音の防止に関する条例を定めている他の自治体ですが、 現在調査している範囲では、人の声も含め、すべての騒音に対して措置命令までを明記したものとしては、 御指摘の奈良県平群町がございます。 訓示規定としているものとしては、例えば横浜市は、条例に基づき、 生活騒音防止に関する配慮すべき指針を定め、設備機器については騒音防止の指針値も設定しておりますが、 人の声やペット、その他の生活騒音については、近隣に配慮するとのみ規定しております。 また、芦屋市では、条例で、騒音障害の防止義務を規定し、夜間においては、近隣の静穏を害し、 または安眠を妨げる騒音を発生させないよう努めなければならないとし、 さらに、要綱で生活騒音全般について騒音の許容限度を定めております。 日常生活に伴う近隣騒音につきましては、行政が直接苦情の伝達や指導等を行った場合、 かえって当事者間にしこりを残す結果を招くおそれもあることから、 当事者同士による円満な解決をお願いしているところです。 ただ、相手が話し合いに応じなかったり、幾ら言ってもやめないなど、困難な問題が生じていることがあることは承知いたしておりますが、 生活騒音等を条例等により規制することとした場合は、児童の通学途中での話し声、 学校園や公園等で生じる音、家庭のエアコン室外機の音などにも同様に対処しなければならないことになってまいります。 また、人の声に規制をかけるとした場合、 声の大きさについては騒音計で測定するという手法が可能でございますが、 発生する場所、時間の特定のできない騒音もあり、特定できた場合でも、 測定位置をどこにするのかという問題がございます。 また、人の声を測定いたしますと、不規則に、しかも大きく変動した数値となるため、 評価値は、記録された数値の最高値にするのか、平均値にするのか、 また、一瞬の声も対象にするのかなどの問題がございます。 また、人の声ではなく、設備機器からの騒音に対する規制基準値は、騒音規制法や県条例で、 住宅街で昼間50から60デシベル、夜間で40から45デシベルと規定されておりますが、 これに対して人の声は、普通の会話で60から65デシベル程度の数値になることや、 人の声や騒音については、基準値以下であっても気になることもあるため、 必ずしも数値だけでは基準値を設定して足りるのかという難しさもございます。 市といたしましては、生活騒音による困難な問題があることは承知いたしておりますが、 一方で、規制を行うとした場合には申し上げましたようにさまざまな課題もあることから、 今後、他市の取り組みをさらに調査し、参考にしながら、どのような施策が望ましいのか、 研究いたしてまいります。
以上でございます。

質問 ◆吉岡政和 3.青年団体について

次に、地域青年団体についてお伺いいたします。
ちょうど1年前、私にとって初めての一般質問のこの壇上におきまして、 この青年団体についてお伺いいたしました。 そのときの答弁では、団体そのものの存在の認識を明らかにされ、 その後、第2回定例会の大石議員の質問では、これらの団体に対して適切に対応できる部署についての検討を行う必要を示唆し、 さらに、今後、各地区の青年団を含め、それらの団体活動につきましての情報収集に努めると答弁されておりました。 その後、ある一定の時間が経過したと思いますが、担当部署選任や青年団の活動調査の進捗ぐあいをお教えください。

答弁 ◎教育次長 (三田谷光治)

3番目の青年団体についての御質問にお答えいたします。
地域の青年世代には、これからのコミュニティーを創造する担い手として、 さまざまな活動への参画が期待されているところでございます。 少子高齢化が進む中で、青年世代が地域に貢献するための組織や集団である青年団体の役割は、 大変重要でございます。 その青年団体の活動が地域に暮らすさまざまな人々のかかわり合いの中で行われ、 地域の特性を持ったコミュニティーの創造につながることが大切だと考えております。 地域の青年団体には、自主的な運営を行い、積極的に地域の行事や活動にかかわる組織や自治会など地域の組織に属して活動を行われている例がありますが、 いずれも広い意味で地域の青年団体と位置づけられると考えております。 こうしたことから、本市では、特定の担当を設けるのではなく、組織や活動の内容に応じまして、 それぞれ庁内の各部署で対応をしてまいりました。 また、これまでの地域活動で自主的団体として把握している青年団体には、 生瀬青年団や越木岩青年会などがありますが、自治会など地域組織に属して活動を行われている例につきましては、 すべての実態を把握できているわけではございません。 市といたしましても、これからも地域の青年世代のさまざまな活動を通しまして地域社会が活性化することを願うものでございますが、 今後とも活動場所の支援措置など市の施策が適用できるものにつきましては、具体的に対応してまいる考えでございます。
以上でございます。

質問 ◆吉岡政和 4.コミュニティバスについて

最後に、コミュニティーバスについてお伺いいたします。
これまで一般質問のたびにコミュニティーバスについて質問させていただきました。 さまざまな観点から質問をいたしましたところ、当局は、鉄道やバス駅から遠い交通不便地域があると認識し、 今後の高齢社会を迎えるに当たりという観点からコミュニティーバスの必要性を一定認めながらも、 自主的な採算性が見込めないという懸念を示し続けられております。 しかし、次期総合計画案の各論ナンバー25の主要な施策展開の中では、 「地域の交通課題に対応するためのコミュニティーバスについては、地元主体を前提とした導入の可能性などについて、 地元との調整を図りながら検討を行います」という今後10年間の方針を示されております。
そこで、今回は、バス事業者に御協力をいただき、政新会の同僚と市内数カ所を対象として、 バス事業者のノウハウを活用し、共同でマーケティングプランを立案してみました。 その中で、私の住んでおります地区でもあります人口約1万400人、約4,050世帯で、 高齢者率が21%を超える超高齢地域でもあります生瀬地域のマーケティングプランを御紹介いたします。 議場の皆様にも、本日資料を配付させていただいておりますので、御参照ください。
一つ目のルートは、資料一番上部でございますが、花の峯?青葉台コースでございます。 このルートは、起点を宝塚駅前に置き、国道176号線を三田方面に進み、生瀬橋を渡り、旧国道を森興橋に進み、 花の峯地区を一周して再び森興橋に戻り、国道176号線を三田方面に進み、西宝橋を渡り、 青葉台1丁目を経由して、2丁目を上部、下部それぞれ経由し、再び国道176号線に出て宝塚方面に向かい、 宝塚駅に戻るという全長約10キロで、所要時間24分を要し、40分間隔で運行するといたします。 二つ目のルートは、起点を宝塚駅に置き、宝塚温泉前の蓬莱橋を渡り、 県道塩瀬門戸荘線──通称温泉街通りを三田方面に進み、宝生ケ丘1丁目から宝生ケ丘2丁目を進み、 生瀬高台を上部から下部へ進み、JR生瀬駅に到着し、 折り返し同じルートを宝塚駅に戻るという全長約7キロメートルで、所要時間約22分を要し、 このルートも40分間隔で運行するといたします。 いずれのルートも、1日20便を運行し、運賃は一律200円で試算しております。 使用車両は、15人乗り程度のジャンボカーを使用いたします。 これは、地域の地形上、バス車両が運行できないために、この車両を適用いたしました。 このマーケティングプランは、住民の意向調査を行う前の段階のプランでございます。 ここに住民の意向を調査すれば、もっとバスに乗っていただける需要と工夫は必ずあるとは思いますが、 他市の事例などをもとに、バス事業者と行いましたマーケット調査の結果は、悪い側の収支予測では、 1日に300名の利用を見込み、つまり往復150名の利用者を見込み、一月に50万円から60万円、 年間にして600万円から700万円の赤字が想定されるというマーケティング調査になっております。 今後、機会があるたびにこのバス事業のランニングコストを減らす方策等をお尋ねしていきたいとは思いますが、 今回は、質問の時間の関係上、1点の質問にさせていただきたいと思います。
今までの答弁の中で、採算性という課題を前面に出されておりましたが、 当局の言う採算とは、赤字なら全くだめなのか、それとも、 人口約1万400人のまちに対し一定の金額は助成していただけるのでしょうか。
また、JR本山駅付近で見かけました社会実験的な国の補助事業は、この場合、対象になりますでしょうか。
その社会実験を行い、地域に浸透するまでの2年から3年の間は、大幅な赤字は当然だめだとは思いますが、 ある程度の赤字を容認し、助成していただけるのかをお教えください。
以上をもちまして壇上からの質問を終わらせていただきます。 御答弁によりましては、自席より再質問、要望、意見を述べさせていただきます。
御清聴ありがとうございます。(拍手)

答弁 ◎都市局長 (森田順)

4番目のコミュニティーバスについての御質問にお答え申し上げます。
コミュニティーバスは、既存の鉄道や路線バスによるサービスが行き届かない地域において、 地域の実情に応じました交通システムとして運行されるものでございますが、全国的な事例を見ましても、 事業収支に見合う利用者の確保が難しく、運行経費や車両購入費に対する赤字負担が課題となっております。
御提案のプランにつきましては、JR宝塚駅等を起点とする二つのコースプランを検討されておられますが、 今後の具体化に向けまして、地元の機運の盛り上がりやニーズの把握によるコース等の設定を踏まえ、 採算性の面からも、より詳細な需要予測を立てることが大切であると考えます。
また、年間約600万円から700万円の赤字が想定されるということでございますが、 こういったコミュニティーバスの計画に当たりましては、 何よりも地元機運の高まりとルート計画や資金計画等の検証が必要であり、行政として赤字負担を行うべきか、 また、赤字負担を行うとした場合に限度額をどのように設定するかなどにつきましては、 地域公共交通などの検討委員会を経まして、慎重に検討を重ねていくべきものと考えております。
現在、市では、コミュニティーバスを初めとする地域公共交通に対する取り組みの一環といたしまして、 市域の中でも交通条件の厳しい塩瀬地域の運行要望の強い地区におきまして、 地元自治会の御協力を得ながら、今後の全市におけるコミュニティーバスのあり方の検討資料とする目的で、 アンケートによる交通利用実態調査を実施しているところであります。 今後は、このアンケートの調査結果の分析を行ってまいりますが、 生瀬地域でのコミュニティーバスの導入に当たりましては、 まずは地元が主体となった検討組織を立ち上げることが必要であり、 市としても、支援、協力を行ってまいりたいと考えております。
最後に、コミュニティーバスの実証実験に対する補助の事例でございますが、 運行開始から当初3年間を限度とした地域公共交通活性化・再生総合事業という国の補助金制度がございます。 この制度は、法に基づく協議会の設置や地域公共交通総合連携計画の作成が前提となり、 運行赤字額の2分の1を補助する制度でございまして、昨今では、全国的にも要望が多く、 その60%、つまり赤字額の約30%の国庫補助金というのが現状でございます。 今後の地元の機運や検討状況により、実証実験などが具体化する場合には、 当該補助制度の活用についても検討していきたいと考えております。
なお、今回、バス事業者と共同で検討され、御提案いただいた生瀬地域における運行プランにつきましては、 市といたしましても、今後のコミュニティーバスの検討に当たっての参考とさせていただきます。
以上でございます。

再質問 ◆吉岡政和 4.コミュニティバスについて

それでは、1点だけ再質問をさせていただきたいと思います。
コミュニティーバスについて再質問をさせていただきます。
具体的なプラン提案といった面から再質問させていただくものではございますが、 実は、本来再質問する予定ではなかったために、アドリブでの質問になりますが、 どうかよろしくお願いいたします。
実は、きょうの朝日新聞の朝刊にコミュニティーバスについて取り上げられておりまして、 この中では、「3路線、西宮市に提案」ということで、「具体性がある計画を提案し」とあり、 また、その中では、生瀬地域ということで、 今まさに私が質問させていただいたプランと同じようなものが出ているのかなというようなことが暗に想像できる記事ではございます。
そこで、そのような具体的な3路線という──夙川北西地域、市北部生瀬地域ですね、 そして臨港線沿いということで、三つの路線が西宮市に提案されたという記事になっておりますが、 その辺、どのような提案がされたのか、また、どのように把握されているのか、 お教えいただければ今後の参考になると思いますので、再質問とさせていただきます。 よろしくお願いします。

○副議長 (喜田侑敬)

再質問に対する答弁を求めます。

再答弁 ◎都市局長 (森田順)

再質問にお答えいたします。
西宮市内のバス問題を考える会より御案内をいただき、 6月24日に都市局のバス担当職員などが御説明をいただいております。 その内容につきましては、市内の交通の不便な地域のうち、 先ほど議員がおっしゃられました生瀬地域を含む3カ所を選び、 実態調査などを示したスライド等の御説明を職員は受けてございます。 ただ、具体のルートをお示しいただいてはいないということでございます。 また、同日付で、同会より本市による地域公共交通会議の設立について申し入れを受けておるということでございます。
以上でございます。

まとめ ◆吉岡政和

御答弁ありがとうございます。
それでは、質問の順に、意見、要望を述べさせていただきたいと思います。
まず、狭隘な道路についてでございますが、建築基準法第1条に、 「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、 健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする」とあります。 建築基準法は、単に建築行為を規制することが目的ではなく、国民の生命、 健康及び財産の保護が根幹の目的だといわれており、安全で安心して暮らせる社会を築くために、 みんなで守らなければならない最低限の基準を定めているものでございます。 私も、西宮市の消防団員になってからことしで11年目になります。 その間、悲惨な火災現場に携わったこともございます。 消防職員の皆様は、体を張り、文字どおりの命がけで消火活動と救命活動を懸命に行っておられるのを目の当たりにしております。 火災現場に行くたびに、幾ら消火活動がしやすい現場でも、もっと早く鎮火できないものか、 また、この火災は事前に防げなかったものなのか、常々感じることがございます。 今後も、市民の生命と財産を守るために、 日々火災防止と消火活動のさらなる研究に励んでいただきますようお願い申し上げます。
道路は、まちの生命線であると考えます。 我が市は阪神大震災を経験しており、当時、狭隘な道路が民家の瓦れきで埋もれて、 通行ができなくなる道が多数発生した記憶がございます。地震は必ず起こります。 きょう、あすにも南海地震が起こるかもしれませんし、いまだ未確認の断層がいつ動くかもしれません。 地震を防ぐことは不可能ではございますが、被害を最小限に食いとめる手だては、 常日ごろから対策する必要があると考えます。安心・安全なまちづくりにゴールはないと考えますが、 関係各局におかれましては、油断することなく、災害に強いまちづくりを今後も進めていただきますよう要望いたします。
次に、生活騒音についてでございますが、 社会問題化しているこの問題を解決しなくては、住みやすいまち西宮、住んでよかったまち西宮、 文教住宅都市西宮を誇れないと思います。 答弁の中に、規制をすれば児童の通学途中の話し声や公園で生じる騒音も規制しなければならないとされておりますが、 他市の条例を見ると、昼間と夜間の基準値を変えるなどして、規制の誤作動を抑制しております。 また、2007年10月、東京都西東京市のいこいの森公園というところで、 公園で遊ぶ子供の声が都の騒音規制基準の50デシベルを超えているので騒音だと司法判断が下され、 公園の噴水からは水音が消えてしまうという結果になってしまいました。 もちろん水音そのものがうるさいのではなく、噴水がわくと、子供たちがその周りではしゃぎ回り、 その声が騒音になったのだろうかと思いますが、そのときの音量である60デシベルとは、 通常の会話レベルということなので、 そもそも都の定めた騒音規制基準の50デシベルというものが実態にそぐわないのかもしれません。 このような条例、規制が誤作動をした事例も今後この問題の研究に役立つことと思われますので、 今後すべての市民が快適な生活を送れますように、 さまざまな角度からの施策を研究検討していただきたいなと要望させていただきます。
次に、地域青年団体についてでございますが、答弁を受けて、 過去の質問をさせていただいたときから特に何も変わっていないなというふうに思わざるを得ませんでした。 青年団は社会教育団体であると、国でも県でも位置づけられているわけですから、 教育委員会の所管団体として、市が率先して育成されることを強く要望させていただきたいと思います。 次期総合計画案の中でも、次世代のリーダー育成をうたわれております。 西宮市をふるさととし、そして、この西宮市で成長し、地域を担う世代になったとき、 西宮オリジナルのリーダーが誕生いたします。 そんな人材育成に地域青年団は大きな力となると考えます。 今直ちに施策を講じても、その効果があらわれるのが10年後、20年後、もしくは50年後になるかもしれません。 教育委員会のみならず、すべての部局にお願いしたいのですが、 真の西宮市民の次世代のリーダーを育成する意味でも、 もう少し積極的にこの問題にかかわってくださいますよう要望いたします。
この件は、また機会があるたびに引き続き質問してまいりたいと思いますので、 また次回も今回の質問時のような同じような答弁にならないように、何とかよろしくお願いいたします。
そして、最後に、コミュニティーバスでございます。
ちょっと時間が足りなかったら、同僚議員の許しを得て、質問を続けさせていただきたいと思います。
まず、再質問の件、この新聞記事からなんですが、 「市北部は市による運行でないと実現性がない」ということで記事に明言されております。 僕はそうじゃないと思います。 これからの都市政策は、やはり採算性があり、そして地元要望があり、すべての問題が解決され、 よりベターな施策が実現するのがこれからの地方行政のあり方だというふうに思いますので、そういう意味で、 今回、運行ルート、もしくは、推計ではございますが、月間収支予測表を添付させていただいて、質問させていただきました。
その中身ですが、前回よりも具体的かつ踏み込んだ提案をさせていただいております。 あくまでもこれは予測の範囲を超えないものではございますが、 目標数字をはじき出すということに意義があると考えました。 例えば、推定収支表をもう一度ごらんになっていただきたいのですが、運送費、施設使用料の欄で、 営業所車庫で20万円という額が計上されております。 例えばこの付近に市の所有する空き地があれば、それを提供していただけるということだけで、 年間にして約240万円の赤字削減につながることになります。 市からの助成、補助とは、何も現金だけというわけではございません。 側面からの支援でもこれだけ収支に影響するものを、そこにプラスアルファとして地元努力で、 あと往復の利用者を1日に例えば30名ふやしたり、運賃を250円にふやしたりすると、 たちまち黒字運行ということになってまいります。
そこで、当局は、しきりに先ほどの答弁でも、地元で機運を高めるように促しますが、 具体的なビジョンを持たないまま住民運動を展開してしまうと、 結局実施を要望する実施要望型の活動になってしまい、それらの活動に地域の名士、 つまり地域の実力者がかかわればかかわるほど、例えば市長の公約に「実現」を入れろとか、 政治問題などに発展してしまい、当局にとってもやりにくくなってしまうかと思います。 そんな悪循環にならないためにも、 しっかりとしたプランを立てて、そのプランに向けて住民と力を合わせていくほうが今のところ現実的だなというふうに私は考えておりますが、 何度も申しますが、さきにも言いましたが、お金を出すのが支援ではございません。 ほかにこのプランでいえば、宝塚という他市に乗り入れする場合の交渉や運行認可の助言、 また、別角度から、高齢者交通助成金の一環としてコミュニティーバスのチケットを配布してもらえば、 さらに大きく収支に影響してまいります。 などなど、さまざまな場面で今後市の支援が必要となってまいります。 まだまだこのほかに、運行時間帯や定期券購入による一定財源の確保など、 本当に検証しなければいけない問題が多数存在しますが、時間の関係上、 今回の質問はこの辺でとどめたいと思います。
またこの記事に戻るんですけども、「市北部は市による運行でないと実現性がない」ということは、 僕、実際北部の人間として、 必ずしもそうじゃないということをこの場で明言させていただきたいなというふうに思います。 前回の質問の際にも申しましたが、 私は、選挙のときに、コミュニティーバス導入を提言しますということで公言し、 当選してきてまいりましたので、今後も、政治生命をかけて、全身全霊、 そして全体重をかけてこの問題に取り組みたいと思いますので、どうか引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。(拍手)

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