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議員視察報告(平成19年10月11日〜12日)

2007年10月13日 , カテゴリー: 視察,

◆議員視察報告 政新会 吉岡政和

視察項目
1.総務省自治財政局公営企業課地域企業経営企画室
2.総務省消防庁国民保護室
3.総務省自治行政局行政対策準備室
4.武蔵野市(コミュニティーバス・子育てSOS)
5.キッザニア

1.総務省自治財政局公営企業課地域企業経営企画室

●公営病院の経営健全化に向けた今後の法整備について伺った。
1.貴局として赤字が過半を占める全国の公立病院を、 今後どのように改善(統廃合も含めた)させて行く施策を聞いた。
2.国の医療が進むべき今後の道筋を踏まえ、 医療・病院を所管する厚生労働省と公営企業体を所管する総務省で協議もしくは連携されている事柄を説明いただいた。
3.公営であることの意味を考えた場合、リハビリテーションや入院が中長期化する患者の積極的受け入れなど、 医療費抑制のための政策に相反する部分が出ている、これら受け入れに関する総務省の見解を説明いただいた。
4.医師の安定的確保、人件費を含めた病院経費の抑制など、 経営の安定化に不可欠な要素について支援する政策やその準備の説明を聞いた。

2.総務省消防庁国民保護室

●国民保護計画の策定に当たっての国、県、市の連携について
1.計画策定及び訓練等実施に当たって、特に住民と密接に関係する市に望まれる役割について説明いただいた。
2.避難要綱の策定について、現場では実効性に対する意見の相違や防災組織に対する理解促進に苦労しているが、 その成功例や理想的なモデルケースに関する情報をきいた。
3.計画が国から市町村まで、あるいは他の市町村と一貫性がなければならないとはいえ、 人口、地形、気象、対象となりうる施設の有無に大幅な差があり、 これら特徴を踏まえた部分は計画のどの部分に反映させることができるのかを説明いただき、 武力攻撃事態という言葉や市民の権利制限を盾にこれを偏向した思想運動のてこに利用しようとする動きが各地で見られており、 国民が計画の意義や意味を正しく理解するための広報物などの説明をうけた。

3.総務省自治行政局行政対策準備室

●中核市に期待される役割について
1.各種事務移管を捉えてより独自性の高い民生やまちづくりに成功した事例の説明をきいた。
2.中核市移行後、一年度以上経過した市においてその成果や問題点を調査・把握した資料等を紹介していただき説明をうけた。
3.地方分権の観点から中核市移行市に総務省として特に期待される役割、方向性を説明していただいた。

4.武蔵野市(コミュニティーバス・子育てSOS)


武蔵野市のコミュニティーバス「ムーバス」の生い立ちから、 現在の運行状況・収支について説明をいただきました。 日本初導入である武蔵野市のコミュニティーバス誕生のきっかけは市民から市長への一通の手紙でした。
その手紙は幹線道路から離れた地区に住む高齢者からで、 年寄りでも気軽に外出ができる環境を作ってほしいという内容だったそうです。 その手紙を受け市長は1日にバスが100本以下の地域を「バス交通不便地域」、 バス停から300m以上離れた地域を「バス交通空白地域」として地図を作製し、 そうした交通不便・空白地域を重点に走るバス路線を検討し狭い路地でも走れるマイクロバスを採用し運行しました。 このバスの目的はあくまでも通勤・通学目的のバスではなく、 日中のお年寄りや子供連れの主婦の利用のために心配りされているバスで、運賃は一律100円、 バス停の間隔は高齢者の歩行距離を考慮し200mを基本とし、病院や百貨店などの商業施設を経由するなど、 利用しやすさをとことん追求したバスです。
ここまでの話でも私には印象深いものでしたが、さらに興味深い効果がでていました。 それは放置自転車が減ったという効果と商業施設など渋滞が多発していたエリアでの渋滞が減少したという効果です。 ここで、西宮市に置き換えて考えると、 当市にも違法駐輪問題が深刻化しており議会の一般質問でも問題提言されています。 武蔵野市でも違法駐輪がひどく莫大な対策費を投じていたのですが、 バス利用を推進することによって自転車を乗る市民が減ったということです。 100円という料金設定も違法駐輪対策を踏まえてとのことでした。 渋滞減少効果については、商業施設から離れたバス停に駐車場をつくり、 そこにマイカーを駐車してバスで駅や商業施設に行き、 商業施設は駐車サービス券を発行するなどの協力をして渋滞緩和に協力していました。

 

これまで当市では交通手段としてのコミュニティーバス議論が主で、 渋滞対策や違法駐輪対策そして高齢者や体の不自由な方が外出することによって健康保持や介護予防にもつながる効果は議論されておりません。 武蔵野市ではコミュニテーバス運行前と運行後の外出回数を市民に調査したところ、 65歳〜75歳までの市民でコミュニティーバス導入以前より、 外出が増えたと答えた市民は53%、80歳以上の市民については、 70%の市民がコミュニティーバス運行以前より外出が増えたと回答しております。
 

●子育てSOS支援事業●

武蔵野市立「0123吉祥寺」は0歳から3歳児までの乳幼児とその親を対象に、 親子でいつでも自由に来館し、楽しく遊び、子育てについて学びあう施設です。
『0123』は子どもの自由な遊びを通して子どもの発達や親同士の交流を促進し、 子育てについての相談や情報提供など、子育ての支援を行うとともに、 子ども同士、親同士の交流を地域に拡げることを目的としています。


親同士の交流の場として沢山の来場者が来ていた


各年齢を対象とした図書

幼稚園に通う前の子どもの親は同じ世代の子を持つ親同士の交流が少なく、 同じ環境の友達や相談相手が少ないために子育てに対してのストレスがたまる等の問題が生じた。 その交流の場、出会いの場としても市民に役立っていました。
武蔵野市では、平成16年2月1日に「武蔵野市児童虐待の防止及び子育て家庭への支援に関する条例 (略称・子育てSOS支援条例)」を施行しました。 子育てSOS支援条例は、条例の遂行を徹底させ市がその責務を果たすために、児童虐待を防止し、子育てに不安を持つ家庭を支援する機関「子育てSOS支援センター」の設置を定めています(第7条)。
この条例の施行を受け、市では、 平成16年2月1日に子育てSOS支援センターを武蔵野市役所子ども家庭部子ども家庭課内に開設しました。 様子がおかしい子どもや、自分からSOSを出せない親を見かけたら、 武蔵野市子育てSOS支援センターや東京都杉並児童相談所へ連絡をいれてもらい、 連絡を受けた機関は、誰が連絡したのかを含めて連絡した人の秘密を守ります。 児童虐待をできるだけ早く見つけてそれに対応できるシステムが確立されていました。 西宮市におきましても子育て支援の対象は子供のみとなりがちで、子を育てる親へのサポートは十分とはいえない。
「文教都市西宮」の子育て支援を考えるヒントが武蔵野市に見えた。

5.キッザニア東京


甲子園ららぽーとにキッザニアが建設されることにちなみ、東京都江東区にあるキッザニア東京を視察してきました。
キッザニアには、消防士、キャビンアテンダント、モデル、医師など、 80種類以上のお仕事や習い事がこども達を待っています。 各パビリオンでは、こども達の年齢や興味に合わせて、 さまざまな種類、難しさのアクティビティ(具体的な仕事や体験)が用意されています。 パイロットになって飛行機を操縦、アナウンサーとしてニュースを読む、消防士になって消火活動、 幼稚園の先生になって小さい子の世話をするなど、大人になりきって遊ぶことができます。 本物そっくりなお店や施設が立ち並ぶキッザニアは、まさにこどものための街です。 大きさも約2/3のこどもサイズ。 病院、消防署、ビューティーサロン、銀行をはじめ、ラジオ局、テレビ局、ピザショップ、劇場など、 楽しい街並みがこども達を待っています。


本物を追求されたパビリオン


キッザニア消防隊

働く前には、そのお仕事に関連したお話や働く上でのルールが説明され、 こども達一人一人に役割が与えられます。ユニフォームに着替え、 スーパーバイザーからの説明をよく聞いて、仕事をスタートさせます。 働いたらキッゾをもらってお買い物が可能になります。 お仕事を体験したこども達には、キッザニア独自の通貨「キッゾ」でお給料が支払われます。 キッゾを使っていろいろなサービスを受けたり、ショッピングをすることもできるのです。
こども達は遊びを通して、さまざまなことを学びます。 キッザニアは、お仕事体験をベースとした社会学習の場となっていました。 遊びの中から社会のルールやマナー、経済のしくみ、将来の可能性を学んでいくことができます。 こども達は様々なお仕事の社会的役割を理解したり、働くことの楽しさ・厳しさを学んだり、 自立性や社会性、金銭感覚を養ったりすることがでます。

 
当日は平日にも関わらず来場者で賑わっていた

甲子園に当該施設が建設されると、 さらなる人出が予測され渋滞対策や地元住民対策は講じなければならないと考えます。 東京キッザニアは幸いなことに立地条件がよく付近に住宅はなく、 道路も整備ざれていたので渋滞や住民対策は必要がないと感じました。 施設としては社会教育的な要素も多くあり素晴らしいものですが、 今後、当該地域住民対策をしっかりと協議していく過程で行政も責任ある対応が必要であると考えます。

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